「アーロンチェアって、もう“時代遅れ”なのでは？」

この記事に辿り着いた方には、このような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。

確かにネット上には「アーロンチェアは過大評価されている」「古く感じるデザイン」といった声があります。知名度の高い名作チェアだからこそ、さまざまな意見が飛び交うのも無理はありません。

実際、アーロンチェアの初代モデルが登場したのは1994年。約30年の時を経ているとなれば、さすがに今の時代には合わないのでは？と不安になるのも当然です。

しかし結論から言うと、アーロンチェアは今でも一線級の高性能チェアです。実は機能をブラッシュアップしたリマスタード版が登場しており、デザインや機能が現代の働き方に合わせて大きく進化しています。

この記事では、そんなアーロンチェアについて深掘りしていきます。時代遅れと言われてしまう理由や、進化のポイント、機能を使いこなすのに向いている人などを紹介します。

結論：アーロンチェアは決して“時代遅れ”ではない！

結論から言うと「今でも一線級の高性能チェア」

ハーマンミラー社のアーロンチェアは1994年に登場して以来、長時間座る作業者の“救世主”として多くの支持を集めてきました。

単に高級ブランドで見た目が洗練されているだけでなく、人間工学（エルゴノミクス）に基づいて設計されている点こそが、アーロンチェア最大の魅力です。

通気性に優れた素材の採用や背骨を支えるフィット構造、前傾チルトなど、身体への負担を軽減し集中して作業ができる環境を整えるための工夫が随所に施されています。

そして2016年には、機能面をさらに強化した『アーロンチェア リマスタード』が登場しています。従来のデザイン性をそのままに、より高い体圧分散性・姿勢サポート・操作性を備えたモデルへと再構築されました。

このように、流行に左右されることなく、本質的な快適性と機能性を追求しているアーロンチェア。

さらにその機能も進化を重ねていることから、現在でも一線級のオフィスチェアとして、国内外のハイエンドユーザーに選ばれ続けています。

ただし人によって向き不向きがあるので見極めが重要

とはいえ、アーロンチェアがすべての人にとって“ベストな選択”とは限りません。

時代遅れというネガティブな意見が一部で見られるのも、実際に使ってみて「合わない」と感じたユーザーが一定数いることに起因していると考えられます。

アーロンチェア、結構合わない人多いと思う。 ボクなど腰爆発しすぎてケツ部分になんか国産のゲル状の良さげな座布団引いてる。

みんな高い椅子じゃなくて、自分に合った椅子座った方がいいよ！　腰が砕けるから。 — SCA自（すかぢ） (@SCA_DI) March 29, 2023

アーロンチェアは、長時間の集中作業や姿勢保持を重視した設計になっており、いわば“仕事に本気な人”向けのプロ仕様のチェアです。そのぶん、リクライニングして仮眠をとったり、ふかふかの座面でリラックスしたい人にとっては、快適とは感じにくいかもしれません。

また価格帯も数十万円以上と高額なので、「そこまでのスペックを自分が使いこなせるか不安」「もっと安くて柔らかい椅子の方が好き」という方には、別の選択肢の方が満足度が高いケースもあります。

現代はアーロンチェア以外にも、高機能オフィスチェアの種類が増えてきています。だからこそ、自分の作業スタイルや求める機能性と照らし合わせて「アーロンチェアが本当に必要かどうか」を見極めることが大切です。

アーロンチェアが「時代遅れ」と言われる4つの理由

いまも多くのファンを持つアーロンチェアですが、先ほども述べたように、一部では「時代遅れ」「買って後悔した」といった声も見受けられます。

その背景には、以下のような理由があると考えられます。

初代の発売から30年以上経過している

アーロンチェアだっけ？あれはもう時代遅れだって意見が散見するで買う候補から外れた

— アシタカシ (@little_ashitaka) September 13, 2018

アーロンチェアの初代モデルが登場したのは1994年。およそ30年もの歴史を持つチェアであることは間違いありません。

どれほど完成度の高い設計でも、30年という年月が経過すると「古くなっているのでは？」という先入観を持たれてしまいがちです。

特に、家具のトレンドが年々移り変わる現代において、長く変わっていないという点は、ある種の不安材料として捉えられてしまうこともあります。

見た目がクラシックで変化を感じにくい

アーロンチェアは全く変化していないわけではありません。2016年にはリマスタード版が登場して、機能がより現代のニーズに合った形で進化しました。

しかし、デザインや大まかなシルエットなど、見た目は大きく変わっていません。

そのため、家具に“新しさ”や“革新性”を求める人から見ると、どこか古めかしい印象を受けることもあるようです。

一方でこのクラシカルなデザインこそが「無駄を削ぎ落とした完成形」と評価する声も多いです。見た目の印象は、完全に好みが分かれるポイントといえるでしょう。

ヘッドレストやフットレストがない

最近の高機能チェアの多くには、リクライニング機能やヘッドレスト、フットレストなどが標準装備されているケースが増えています。

しかしアーロンチェアは、あくまで“作業に集中するためのチェア”として設計されており、ヘッドレストやフットレストなど、仮眠やリラックス向きの機能は搭載されていません。

そのため、「ちょっとひと休みしたい」「リラックス姿勢で映画も見たい」といった使い方を想定している方にとっては、物足りなさを感じるポイントになりやすいのです。

また、ゲーミングチェアのようなふかふかなクッションを求める人にとっては、メッシュ構造が心地よくないと感じられてしまうケースがあります。

アーロンチェアよりも安価な椅子が多く登場している

ここ数年で、コスパに優れたオフィスチェア・エルゴノミクスチェアが各メーカーから数多く登場しています。

たとえば、国内メーカーの「オカムラ シルフィー」や、海外勢では「エルゴヒューマン」なども人気で、10万円前後でも高機能な椅子が手に入るようになりました。

さらに、ニトリやアイリスオーヤマといった量販ブランドからは、1～3万円台で購入できるエルゴノミクスチェアも登場しており、価格重視の層から支持を集めています。

その中で、アーロンチェアは新品価格が20万円以上であり、中古でも状態によっては10万円以上することもあります。

特に価格を重視する方は、「他の椅子でも十分なのでは？」「見た目が似ていてもっと安い製品があるのに」と感じてしまうことがあります。

時代遅れの声を払拭！最新モデル・リマスタードの実力

アーロンチェアが『時代遅れではない』と言えるもう一つの理由は、2016年に登場した『アーロンチェア リマスタード』による機能強化です。

ハーマンミラー社は、現代の働き方や最新のエルゴノミクス理論に基づき『アーロンチェア リマスタード』を再設計し、機能をさらに改良しました。ただし、従来のクラシックモデルも統一感あるデザインと高い操作性・快適性を変わらず備えており、用途や好みに応じて選べるのが大きな魅力です。

ここでは、リマスタード版の主な進化点を3つに絞ってご紹介します。

1：ポスチャーフィットSLで骨盤・背骨の同時サポートが可能に

アーロンチェアにはもともと、背骨を支える「ポスチャーフィット」という優れたサポート機能が備わっていました。

そこから進化したのが、リマスタードモデルに搭載された「ポスチャーフィットSL」です。

この機能では、骨盤（Sacrum）と腰椎（Lumbar）をそれぞれ独立して支える構造が採用されており、背骨の自然なS字カーブをより保ちやすくなっています。

結果として、長時間座っていても姿勢が崩れにくくなり、猫背や腰への負担を大きく軽減できることが期待されています。

2：8Zペリクルの採用で体圧分散・座り心地がより快適に

座面と背もたれに使われているメッシュ素材「ペリクル」も進化し、「8Zペリクル」にアップグレード。

これは8つのゾーンに分けて張力を調整することで、体圧を分散しつつしっかり支えるという革新的な構造です。

通気性はそのままに、座り心地がよりしなやかで、フィット感のあるものへと変化しているのです。

3：アームの可動域が増え前後にも調節できるように

リマスタードモデルでは、アームレストの調整範囲も強化されています。

高さや角度だけでなく、前後のスライド調整も可能となり、デスクとの距離や腕の位置に合わせた細かな調整ができるようになりました。

これにより、キーボード入力やマウス操作時の姿勢がより安定し、肩や腕の疲労軽減にもつながります。

とくに長時間作業を行う在宅ワーカーやエンジニアにとって、大きなメリットとなりうるポイントです。

このほかにも、操作レバーの統合による操作性の向上や、より自然なフィット感を追求したサイズ感の見直しなど、細やかな改良が随所に加えられています。
▶︎ アーロンチェアの新旧比較・モデルの違いを詳しく見る

比較したチェアの中古品ラインナップも気になる方は以下からチェックできます。

• エルゴヒューマン中古一覧はこちら
• オカムラ シルフィー中古一覧はこちら

アーロンチェアの最新機能を使いこなすのにおすすめな人

リマスタードによって進化したアーロンチェアは、快適性とサポート力を兼ね備えた高機能チェアです。

ただし、その性能を最大限に活かせるかどうかは、使用するシーンや求める価値観によって異なるでしょう。

以下のような方には、特にアーロンチェアがおすすめです。

• 長時間座っても疲れにくいチェアを探している
• 集中して作業に取り組める仕事用チェアが欲しい
• 姿勢の悪さや慢性的な腰痛に悩んでいる
• シンプルでスタイリッシュなデザインが好み

これらに当てはまる方は、アーロンチェアの特性と非常に相性が良いといえます。

前傾姿勢をサポートする設計や、長時間座ってもムレにくい高い通気性、そして体圧をバランスよく分散する座面構造など、集中作業を快適にサポートする機能が充実しています。

特に「高額でもいいから、疲れにくく機能性に優れた椅子がほしい」「慢性的な腰の不調をなんとかしたい」と感じている方には、導入する価値のある一脚です。

反対にアーロンチェアが向いていない人の特徴は？

一方で、下記のようなニーズを持つ方には、アーロンチェアは向いていないかもしれません。

• できるだけ安価でコスパ重視のオフィスチェアを探している
• 外回りや出張が多く、椅子を使う時間が少ない
• 実際に座ってみて、フィット感に違和感を覚えた
• 仮眠やリクライニングでくつろげる椅子を求めている

アーロンチェアは、どちらかというと“リラックス”よりも“集中とボディのサポート”に特化したような設計です。

そのため、ふかふかの座り心地や多機能リクライニングなどくつろげる要素を期待している方には、やや物足りなく感じるかもしれません。

アーロンチェアを購入する際の注意点・チェックポイント

「腰が痛くなった」「仮眠できない」という口コミもチェック

アーロンチェアには多くの好評レビューがある一方で、「腰が痛くなった」「仮眠がとれない」といったネガティブな声も一部見られます。

ただし、それらは製品の不具合ではなく、使用目的や体格との相性、あるいは調整不足が原因であることがほとんど。

とはいえ、合わない理由についても、見過ごすことはできません。

購入前には事前に良い口コミ・悪い口コミの両方をチェックし、自分の用途や体型に合っているかを見極めることが大切です。

▶︎ アーロンチェア購入で後悔しないために｜実際の声が知りたい方はこちら

サイズやモデルの違いを比較して自分に合ったものを選ぶ

アーロンチェアには、体格に応じたA・B・Cの3サイズ展開があり、合わないサイズを選んでしまうと快適性が大きく損なわれます。

また、「クラシックモデル」と「リマスタードモデル」といったバージョン違いもあるため、購入前に違いを把握しておくことが重要です。

▶︎ サイズやモデルの違いを詳しく解説した記事はこちら

他ブランドのオフィスチェアと機能・使用感を比較してみる

アーロンチェアと同じく、高機能チェアとして人気を集めているのが、「エルゴヒューマン」や「オカムラ シルフィー」などのモデルです。

それぞれに異なる設計思想や座り心地があり、使用感にも個性があります。

たとえば、エルゴヒューマンは可動域の広いヘッドレストやメッシュ素材のフィット感が特徴的で、リクライニング性を重視する方に好まれる傾向にあります。

一方、オカムラ シルフィーは日本人の体格に合わせた優しいフィット感と、シンプルで柔らかい印象のデザインが魅力です。

どれも決して安い買い物ではないからこそ、自分にとってのベストな一脚を選ぶためにも比較は重要です。

▶︎ エルゴヒューマン中古一覧はこちら
▶︎ オカムラ シルフィー中古一覧はこちら

中古品はモデルの違いや状態に注意しよう

アーロンチェアは新品だけでなく、中古市場でも多く流通しています。中古品は新品と比べて価格が抑えられているため、初めての方はこちらから試してみるのもおすすめです。

ただし、中古品にはモデルや使用年数、コンディションに大きな個体差があるため注意が必要です。

座面のへたり、リクライニング機構の不具合、ガスシリンダーの劣化など、目に見えない劣化が進んでいるケースも少なくありません。

中古で失敗しないためには、クリーニング・整備済みであること、さらにはモデルの違いを明確に表示している信頼できる店舗から購入するのが安心です。

中古品アーロンチェアなら【オフィスアイデア】

【オフィスアイデア】では、中古品のアーロンチェアを種類豊富に揃えております。中古品ではありますが、最新モデルも取り扱いがあるので、リマスタード版の機能を体感してみたい方にもピッタリです。

また取り扱い品は、全品整備・クリーニング済み。品質管理が徹底されているので、中古でも安心して購入できます。

コストを抑えてアーロンチェアを導入したい方は、整備済みの中古品も選択肢に入れてみてください。

▶︎ オフィスアイデアの整備済み中古商品を見る

まとめ｜“時代遅れ”という誤解を解いて正しく選ぼう

アーロンチェアは「時代遅れ」と言われがちですが、リマスタード版の登場により今なお一線級の性能を誇る高機能チェアです。

むしろ30年続くからこそ、信頼がおける、価値のあるチェアだとも言えるでしょう。

ただし人によっては合わない場合もあるため、使用目的や体型に応じた選び方が重要になります。

後悔しないためにも、特徴を把握し、サイズ・モデルの違いや他ブランドとの違いをきちんと理解しておきましょう。

価格面で迷っている方は、中古品を選択肢に入れるのもおすすめです。特に「自分に合っている」と感じた方は、在庫状況・価格をチェックしてみてください。